会長通信


by tamurasyasinkan

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社長通信第150号 2010.11.1 満足と感動

「満足」と「感動」の違いは何でしょうか?

リッツカールトンホテルの前東京支社長高野登氏が書かれた、
「リッツカールトンで育まれたホスピタリティーノート」によると、
「満足と感動は本質的に違うもの。つまり、満足の延長線上に感動があるのではなく、
満足はどんなに大きくなっても大満足にしかならない。
お客様が感動するのは、満足したときではなく、物語が生まれた時にある」(要約)とあります。

ということは、満足というのはシステムやマニュアルによって、つくることが可能ですが、
感動というのは、そういうものによってはできないということです。

さらに、感動させることが、システム化やマニュアル化されてしまったら、それはもはや感動ではなくなるとも言えますね。

ずいぶん前の話になりますが、ディズニーランドで実際にあったという
伝説のエピソードを思い出しました。

以下のような内容だったと思います。

ある夫婦がレストランを訪れて、それぞれの注文の他にお子様ランチをひとつ注文した。
店員は不思議に思い、その訳を尋ねると、
その夫婦には生きていれば3歳になる娘がいたが、病気で亡くなってしまった。
生きていれば、今日がその娘の誕生日。
3歳の誕生日にディズニーランドに連れて行くことを約束していたので、
今日は娘も一緒に来ているんです。
そこで店員は、子供用の椅子を用意した。
そして、料理が出来上がり、子供用の椅子のところには、
お子様ランチが配膳された。
そして、レストランからプレゼントがありますと、
小さなケーキに3本のローソクが立てられて、テーブルに置かれた。
そのケーキには、「〇〇ちゃんおめでとう」と書かれてあった。
夫婦は感動で涙があふれた。
スタッフもみんな涙があふれた。
夫婦は、帰り際にこう言った。
「今日は本当にありがとう。今、おなかの中に赤ちゃんがいます。
来年の今日には、今度は4人でここに来ますね。」と。

今、これを書いていても、涙が出てきてしまうくらい感動する話です。

ディズニーランドには、こういう時はこうするというマニュアルはないと思います。

これは、スタッフが自分で感じて、そしてマニュアルには無いことを
自分たちで行動に移したということになります。

つまり、感動をつくるということは、損得ではなく、見返りを求めるのでもなく、
計算をするものでもなく、自己満足でもなく、

ただひたすらに、相手に与えるという愛の深さから生まれるのではないかと思います。

そしてこれは、それらのスタッフの人間性から生まれたものですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先日の小山店の日報に、お客様から便箋3枚にもなる感謝の手紙をいただいたとありました。
とても興味があり、今日、小山店に行って見せてもらいました。
社長通信第150号 2010.11.1 満足と感動_b0191775_18155975.jpg

これがその手紙です。
内容は、衣裳選び、前撮り、お出かけの日までの内容が、お子様の様子、スタッフの対応をまじえて克明に書かれておりました。
そして、最後に、
「今回の七五三で天使の森にして、衣裳もヘアメイクも撮影も大満足です。」
と書かれていました。

つまり、ここまでは、お客様にとって「大満足」というレベルでの評価であったわけです。

この手紙を受け取って、小山店のスタッフはとても喜んだわけですが、
さらに素晴らしいことは、お客様にお返事を書いたことです。

それも、ただの手紙ではありません。
こ~んな感じです。
社長通信第150号 2010.11.1 満足と感動_b0191775_18292484.jpg

お子様の似顔絵が飛び出すようになっていて、
そしてその周囲に、スタッフ一人一人の「ありがとうカード」のメッセージ。
どうやったら、この感謝の気持ちが伝えられるか?
ということをみんなで考えた結果、このようなカタチになったのでしょう。

お客様にインタビューすることはできませんが、
おそらくお客様はこれを受け取って、「大満足」から「感動」へと思いが変化するのでは
ないかと想像しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上記のような事例から、満足と感動の違いを私なりに定義すると、

「満足は一時のものであり、感動は一生のものである」

小山店の皆さんが心をこめてつくった手紙は、この子にとって、一生の宝になるのではないでしょうか。

さらに、もうひとつ定義するとしたならば、

「満足とはお客様が感じるもので、感動はお客様とスタッフの両方の心が動くもの。」です。

この手紙を送ったことで、お客様の感動をつくり、そして同時に、この手紙をつくったスタッフも同じように感動している状態がそこにはあったのではないでしょうか。

さらに、もうひとつ定義をするならば、

「満足は意図した目的としてつくり出すものであり、感動は結果として生まれるもの。」
つまり、感動は意図的につくろうと思ってもつくれないということです。

感動を生み出すには、システムもマニュアルもまったく無関係で、
「人を喜ばせたい、人と共に喜びあいたい」
という、人間の本質とも言えるべき、愛の力によって生まれるものと思います。

いつどんな時も、「人の役に立ちたい」という意識が、
言葉だけでなく、体の芯まで、潜在意識にまで到達していることが、
感動を生み出す源になるのではないでしょうか。

私たちの仕事は、そういう点ではとても恵まれ過ぎています。

今、この与えられた環境を、それぞれが大切に、そして有難いものとして、
謙虚に受け止めていきましょう。
by tamurasyasinkan | 2010-11-01 14:38