会長通信


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社長通信第202号 2011.2.13 伝説のエピソード1

田村写真館にはたくさんの伝説のエピソードがあります。

伝説とは語り継がれるもの・・・ですね。

先輩のスタッフから、新しいスタッフへと語り継がれること。

これはとても大事なことであり、他の何よりも大切なことでもあります。
その時その時は、感動しても、その感動をしっかりと後から続く後輩たちに伝えていく使命が、古いスタッフにはあるのだと思います。

そういう仕組みは何もありませんが、しかし仕組みなど必要ないほどに、伝えなければならないという使命感があふれて、事実が伝説として生きていることが、会社の存続と同じくらい、いや、並行して歩んでいくべきものと思うのです。

今日は、一つだけ私の心の中で今でも息づいている伝説を紹介します。

これはもう10年くらい前のことになります。
当社の本店、その当時はスタジオタムラという名前で営業していた、現在の外販事業部で起こった出来事です。

その日は、写真だけの結婚式というメニューのお客様で、新郎新婦の和装婚礼写真を撮影したのです。
撮影が終わった頃、事務所にいた私のところに着付けのパートさんの上岡さん(現佐野店勤務)が、言いずらそうにしながら話しかけてきました。
「社長、今撮影した花嫁さんですが、県南病院にお母さんがリハビリで入院しているんだそうです。このまま病院まで行って、お母さんに花嫁姿を見せたいって言うんですけど・・・でも外出料金が5万円かかりますと言うと、そうですか、じゃああきらめますということになりました。
・・・社長、ちょっとだけ病院まで往復するだけですから、私が運転して行きますから・・・なんとかサービスできないでしょうか。・・・」と言うわけです。

県南病院とは、車で5分足らずの所にある病院です。私は、ちょっと考えましたが、上岡さんに、「う~ん。いいだろう。お母さんに見せてやって。そういう事情なのだから、特別無料にしよう。」と伝えると、上岡さんは、「ありがとうございます、本当に感謝します。」と、まるで自分のことのように満面の笑顔で喜びました。

病院に出かけてから30分ほどして、上岡さんが店に戻って来ました。
そして真っ先に私のところに報告に来たのです。

「社長、やっぱり行って良かったです。お嫁さんは、ここを出る前に電話で病院に連絡を入れていたのですが、病院に着いて、正面の自動ドアが開くと、ロビーに10台くらいの車椅子のお年寄りたちが、横一列に並んでいてですね、そしてその列の後ろには、病院の先生や看護婦さんがたくさん並んでまして、・・・」
ここまで話すと上岡さんは涙で話を中断しながらも、またやっと話し続けました。

「その車椅子のおばあちゃんたちと、先生たち、看護婦さんたち皆が一斉に、おめでとうって花嫁さんを笑顔と拍手で迎えてくれたんです。私もう嬉しくて嬉しくて・・・、やっぱりお母さんに見せに行って、本当に良かったです・・・」
と、止まらない涙を抑えながら報告してくれました。
病院のお母さんのリハビリ仲間と、それを介護する先生や看護婦さんたちが、暖かい祝福をしている光景を思い浮かべた時、私も感動して思わず嗚咽を漏らしてしまいました。

「いいルールができて良かったね。」と答えると、上岡さんは、「本当にありがとうございました。こんなに感動したことは生まれて初めてです。」と目を真っ赤にして笑顔でおっしゃいました。

病院のお母さんに、花嫁姿を見せるだけなら無料でもいいだろうと許可をしたのですが、それがたくさんの人を巻き込んで、このように大きな感動をつくり出す結果になるとは、全く予期せぬことでした。
たった一人のパートさんの優しい心が、素晴らしい感動を生み出す元になったのです。

皆さん、私たちは常に、新しいルールをつくりながらこの仕事を運営しているのです。

その時の上岡さんは、新しい事例をつくり、新しいルールをつくってくれたのです。
これは、上岡さんの「人に尽くしたい」という立派な心から生まれたルールです。

これからも、新しいルールを、正義のルールをつくって行きましょう!
by tamurasyasinkan | 2011-02-13 22:09