会長通信


by tamurasyasinkan

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社長通信第302号 2011.8.15 ある親友の死

今夜は私の友人である、稲毛博実氏のお通夜があり、先程帰宅しました。

稲毛氏は私の一つ上の先輩です。
私が地元で親しくしている友人は、どういうわけか私より1学年上の先輩ばかりなのです。
稲毛さんは、千葉大医学部、筑波大医学部へと進み、父親の稲毛医院を継いだ内科医です。
12日の夜、くも膜下出血で倒れましたが、その日の午前中までは、診察をしていたそうです。
連絡を受けた13日に、自宅に伺い、もう何も言わなくなった稲毛先輩と対面しました。

私は栃木県立佐野高等学校で学びましたが、部活はブラスバンド部に所属していました。
大学が終って実家に帰った時に、このブラスバンド部の先輩に誘われて、佐野吹奏楽団という市民バンドに入りました。そこにいたのが、数名のブラスバンド部の先輩たちであり、稲毛さんもその一人でした。

吹奏楽団は、10年程で退団しましたが、その後もその先輩たちと、さらに先輩たちの同級生数名と飲み仲間となり、30年来、親交を深めてきました。
何かあると、さっと集まるそういう仲間です。

全部で11名いたグループは、年1回必ず1泊で旅行に行き、夜はどんちゃん騒ぎをしていました。
11名のうち私だけが学年が一つ下で、私だけが皆さんの名前を呼ぶ時には、さん付けです。

稲毛さんは内科医ですので、当然のように私のかかりつけのお医者さんとして、ずっとお世話になっていました。心臓の病気で入院するまではですが。

稲毛さんは、医師としての使命感が非常に強い人で、どんなに夜中であろうと、居酒屋で酒を飲んでいようと、患者さんから連絡があれば、すぐにタクシーで飛んでいくような人でした。
ですが、私たち友人に対しては、「人間はあまり長生きなんて考えずに、好きなことをやって死ねるのが一番幸せなんだよ。」って口癖のように言う人でした。
また、普通のお医者さんとは違って、「体に悪いものは気持ちがいいんだよ。だから体に悪いことをどんどんしたほうが、幸せなんだよ。」と、ちょっととんでもないことを言う人でした。

もう10年前くらいだったと思いますが、胃の調子が悪くて、稲毛さんに診てもらった時のことです。
「じゃあ、胃カメラをやろう。」ということになりました。
「大丈夫、癌じゃないよ。良かったな田村。」と言ってから、「田村、今日だけは酒は飲むなよ。」と言ったのですが、その日の夜、電話がかかってきて、「田村か、今ちょっと飲んでるんだけど来ないか?」と言うんですね。
「だって、今日は飲むなっていったじゃないですか~。」と答えたら、
「う~ん、ちょっとなら大丈夫なんだよ。だから来いよ。」というようなことがありました。

糖尿病で、4年前に脳梗塞で倒れて、右半身が少し不自由になってからも、一緒に旅行に行き、酒を飲んでタバコを吸って、カラオケを唄う、そんな人でした。

私は心臓の手術をしてからは、大きな病院に診てもらうことになったので、稲毛医院には足を運ばなくなっていました。
でも結構、稲毛さんの人生論?健康論?にはきっと影響を受けていると思います。

昨夜のことですが、自宅でいつものように焼酎を飲んでいると、ふと稲毛さんの声が聞こえてきたような気がしました。
「田村、やっぱり死んじゃったらお終いだよ。だからおまえ、やっぱり体に気を付けた方がいいと思うよ。俺が一番先に死んじゃったから、体験者として言っておくけど、ちょっと早すぎたよ。おまえ、酒もタバコも、やっぱり控えた方がいいぞ。」
そんな声が、私の頭の中に駆け巡っていたんですね。
ひょっとしたら、本当に稲毛さんが言ってくれていたのかも知れませんね。

62歳。とても早い死であり、惜しい死でもあります。

明日はまた残された10人の友人たちで、葬儀と焼場までお見送りをする予定です。

さようなら、稲毛先輩。お世話になりました。
by tamurasyasinkan | 2011-08-15 22:20